免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断や専門的アドバイスを提供するものではありません。税制は改正されます。実際の申告や対応は、必ず税理士にご相談ください。

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デリヘルなどの風俗店を経営していて、顧問の税理士を探している人に向けた記事です。税理士の登録の調べ方や、断られたときの備えなど、水商売と共通する部分は水商売の税理士の選び方にまとめています。この記事では、風俗の経営で特に確認したい3つの論点と、初回相談で聞く質問を取り上げます。

風俗の経営で確認しておきたい3つの論点

1. 営業の届出が済んでいること

派遣型ファッションヘルス(いわゆるデリヘル)は、無店舗型性風俗特殊営業の例として挙げられている営業で、許可ではなく届出が必要です。無店舗型性風俗特殊営業は、人の住宅や宿泊施設で、異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を行う者を、客の依頼を受けて派遣することで営むもの、と説明されています。香川県警察のページでは、営業を始める日の10日前までに、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する警察署へ届出書を出すと案内されています。手続は都道府県で異なる場合があるため、実際の届出は、管轄の警察署に確認してください。

出典: 香川県 性風俗関連特殊営業の届出

届出そのものは風営法の手続で、税務の論点ではありません。ただ、税理士に顧問を頼むときは、営業の実態をありのままに説明することになります。

2. キャストとの契約を、雇用と請負のどちらで扱うか

風俗の経営で、税務の扱いが分かれやすいのが、キャストとの契約の区分です。名前が「業務委託」でも、実際の働き方によっては、雇用に近いと見られる場合があります。

国税庁の消費税法基本通達 1-1-1(個人事業者と給与所得者の区分)では、雇用契約またはこれに準ずる契約にもとづく対価かどうかで区分するとされています。区分が明らかでないときは、例えば次の事項を総合して判断するとされています。

  • 役務の提供の内容が、他人に代わってもらえるものか
  • 役務の提供にあたり、事業者の指揮監督を受けるか
  • 引渡し前の完成品が不可抗力で失われた場合にも、すでに提供した役務の報酬を権利として請求できるか(通達の言い回しです。当てはめは税理士に確認します)
  • 役務の提供に使う材料や用具などを、供与されているか

出典: 国税庁 消費税法基本通達 1-1-1

この通達は消費税の取扱いについてのものです。所得税や源泉徴収の扱いには、別の定めがあります。給与等にあたるものは、給与として源泉徴収する扱いになります。国税庁のホステス等への報酬の説明(No.2807)は、バーやキャバレーの経営者がホステス等に支払う場合などを対象にしています。風俗店のキャストへの支払いに、どの扱いがあたるかは、契約と運用の実態を見て税理士に確認してください。

3. インボイスと消費税の経過措置

キャストを事業者として扱い、報酬を課税仕入れとして消費税の計算に入れる場合は、インボイス制度が関係します。インボイスを発行する登録を受けていない事業者(免税事業者など)からの課税仕入れは、本来は仕入税額控除ができませんが、一定期間は、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置があります。

国税庁のQ&A(問113、令和8年4月改訂)では、控除できる割合は次のとおりです。

期間 控除できる割合
令和5年10月1日〜令和8年9月30日 80%
令和8年10月1日〜令和10年9月30日 70%
令和10年10月1日〜令和12年9月30日 50%
令和12年10月1日〜令和13年9月30日 30%

割合は、適用しようとする課税仕入れの時期で判断します(問113-3)。令和8年10月1日から令和10年9月30日までの仕入れは、70%の期間にあたります。一の免税事業者等からの課税仕入れの合計額が一定の金額(令和8年10月1日以後に開始する課税期間は税込1億円)を超える部分には、この措置は使えません(問113の注)。この措置を受けるには、必要な事項を記載した帳簿と請求書等の保存が要件です。

出典: 国税庁 消費税の軽減税率・インボイス制度に関するQ&A 問113

自店の消費税の扱い(課税事業者かどうか、キャストへの報酬をどう処理するか)は、論点2の区分とあわせて、税理士と整理します。

初回相談で確認したい3つの質問

  1. 風俗業の顧問の実績があるか: 件数よりも、風俗の経営に特有の論点(キャストとの契約、現金売上)に具体的に触れて答えてくれるかを見ます
  2. キャストとの契約の区分を、実態を見て一緒に整理してくれるか: 契約書や運用(出勤の決め方、報酬の計算方法、店のルール)を見て、考え方を示してくれるかを確認します
  3. 消費税とインボイスの扱いを説明してくれるか: 課税事業者かどうかの判断から、キャストへの報酬の処理まで、どこまで頼めるかを聞きます

税務調査のときの対応と費用、連絡のとりやすさなど、水商売と共通する確認点は、水商売の税理士の選び方と水商売の税務調査にまとめています。

まとめ

  • 風俗の経営では、営業の届出、キャストとの契約の区分、インボイスの経過措置の3つが、税理士と整理したい主な論点です
  • 契約の区分は、名前でなく実態で判断されます。契約書と運用の両方を見て、税理士に相談します
  • 税理士の登録の確認、初回相談の質問、断られたときの備えは、水商売の税理士の選び方も参考にしてください

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